ご遺骨のカビついて

粉骨についてネットで色々検索していると「ご遺骨にカビが生える」という記事を目にすることがあります。

が、店主が考える結論としては「ご遺骨にカビが生える可能性は0ではないが、実際にカビが生える可能性は極めて低いので、そこまで過敏に気にすることはない!」ということです!

当店では粉骨加工やオリジナル手元供養商品製作販売以外にも石材店としての業務もしているため、ご遺骨に触れる機会が非常に多い業種です。
「お墓の建て替え」「改葬(お墓の引っ越し)」「墓じまい」などの業務もあり、その場合には納められているご遺骨を納骨室から取り出す作業も必要となります。
したがって、火葬後、数カ月〜数年ご自宅で安置されていた比較的清潔なご遺骨だけでなく、何十年も湿度の高い納骨室内に安置されていた衛生状態が良いとは言えないご遺骨も、当たり前のように目にします。
何十年も湿度の高い納骨室内に安置されていたご遺骨は結露の水が口元一杯にまで溜まっていることもありますし、納骨室内で骨壷が倒れていて、蓋が外れ骨壷からご遺骨がこぼれ出てしまっていることも珍しくありません。納骨室内で骨壷が割れていることだってあります。

カビが生えたご遺骨を見たことがない

そんな多種多様な環境で保管されているご遺骨を目にする機会の多い当店主ですが…、
あきらかにカビが生えているというご遺骨を、じつはいままで一度も見たことがないんです。

そう言うと語弊があるかもしれませんね。
あまりにも鈍感な店主がカビに気付いていないとも言えるのかもしれませんが…。

当店主は科学者でも研究者でもないので本職の方から見れば「このド素人が」と笑われてしまうかもしれませんが、店主なりに真面目に考えてみました。

カビが生える可能性を考えてみた

まず、火葬されたご遺骨は高温で長時間焼かれ「灰」になっている状態です。理屈上カビのエサとなる有機物は残っていないはずですので、カビが生えるということは考えにくいですよね。
ただ、火葬後のご遺骨を骨壷に納めるときには、研究所や病院のような完全な滅菌室で行う訳では無いので、その時にカビ菌や何らかの有機物がご遺骨の中に混入する可能性は0ではありません。また、新品の骨壷であっても、100%の滅菌がなされている訳ではありませんので、火葬直後のご遺骨を骨壷に納めただけでも既にカビ菌やカビのエサとなるものが混入してしまうかもしれません。

その後、ご自宅で安置していても、骨壷は完全な密閉容器ではありませんので空気の出入りと共にやはりカビ菌やカビのエサとなるものが混入してしまうかもしれません。
また、完全な密閉容器ではない骨壷を湿度の高いお墓の納骨室で安置すればさらに湿気も入ってしまい、
カビの繁殖しやすい環境は整うのかもしれません。

お墓に長期間埋葬されているご遺骨は結露の水が溜まっていることが多いので、その水分に雑菌が繁殖しているのはなんとなく見てわかるような気がするのですが、パンやチーズに生えることのあるカビらしきものを見たことがありません。無知で鈍感な店主が気付かないだけなのでしょうか…。でも、あんなカビが生えていれば気付きそうなものですが…。

ちなみに、ご存じの方も多いと思いますが火葬後のご遺骨は、必ずしも真っ白な状態ではありません。
理由は店主もよく分かりませんが、火葬の状態によっては骨の内部組織の一部が薄っすら茶色をしていることがあります。
火葬時、ご遺骨にまだ燃える余力が残っている状態でも、概ね火葬完了と判断されれば火葬は終わってしまいますが、そうするとご遺骨の一部にほんのり黒く炭の状態が残ることがあります。

また、ご遺骨の中に棺の釘やタッカー針などの鉄分が混入している状態でしばらく安置していた場合、その鉄分が酸化し酸化鉄(サビ)となり、それが付着してご遺骨の一部が茶色くなることもあります。
三途の川の渡し賃として貨幣(10円玉:銅)を入れたり、銅製の棺の金具が混入しているときには、その銅が酸化し緑青(銅が酸化するときに生成されるサビ)が出て、その緑青がご遺骨に付着することもあります。

火葬する直前にはご列席者が棺の中にお別れのお花を入れることもありますが、そのお花の色素が沈着してご遺骨に一部がピンクや水色になっていることもあるらしいのですが。。。
※一説には長期間の投薬治療でご遺骨に色がつくという話も聞いたことはありますが、詳細は定かではありません。

いずれにしろ、上記の写真のご遺骨の着色は様々な理由により真っ白ではないだけです。
でも「ご遺骨は真っ白なもの」という先入観を持っているご遺族が骨壷を開けたときに、上記の写真のような状態のご遺骨を見れば「なにこれ?カビかしら?」と思ってしまうのは無理もないことだと思いますが、決してカビではありませんのでご安心ください。

ただし、先ほども申し上げた通り骨壷は完全な密閉容器ではないうえ、既に完全な滅菌状態ではない以上、理屈ではカビが生える可能性は100%無いとは言い切れませんので予めご了承ください。

ご遺骨のカビ対策も考えてみた

ご参考までに、もしご遺骨を骨壷のままご自宅で手元供養をするのであれば以下のことを注意して安置することをお勧めいたします。

  1. 風呂場や台所などの水回りに近い場所に安置するのは避ける。 
    ※湿気が骨壷内に侵入するのを少しでも軽減するため。 
  2. 直射日光が当たる場所やエアコンの風が直接当たる場所は避け、風通しの良いところに安置する。 
    ※温度差による骨壷内の結露を防ぐため。 
  3. 火葬後、早めに骨壷の隙間をテープ類で巻いて塞ぐ。 
    ※少しでも密閉状態に近づけるため。 
  4. あまり高いところには安置しない。 
    ※万が一の落下による骨壷の破損を予防するため。 

もし骨壷のままで手元供養をしていて 
「骨壷のままだとサイズが大きすぎる」「カビが生えるのではと気になってしまう」「骨壷が割れたら困る」「オシャレじゃない」など、不都合がありましたら当店オリジナル供養木箱「木霊」をご検討いただければ幸いです! 
 

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