あなたが仏式(仏教に則った)ご葬儀を選択する理由ってなんですか?

仏教以外の特定の宗教(神道・キリスト教・その他)を信仰している方以外の大多数の方々は、ご家族が亡くなると従来の慣習に倣い、葬儀社さんに依頼して通夜・葬儀を営みます。

コロナ禍以降は、通夜・葬儀を一日にまとめて実施する「一日葬」という形式が増えているようです。

 

特定の寺院の檀家である場合には菩提寺(所属している寺院)のご住職に読経をお願いすることになります。

また、特にお付き合いをしている寺院がない場合でも、ご実家の宗派を調べて同じ宗派の僧侶を葬儀社さんに紹介していただき、読経をお願いして故人のお弔いをお願いすることが多いようです。

 

ここで素朴な質問なのですが…、

あなたが仏式(仏教に則った形式)の葬儀を選択する理由は何ですか?

 

特定の寺院に所属している檀家(檀徒・門徒・信者)の場合は菩提寺の宗派(仏教の○○宗○○派)を信仰していることが大前提です。信仰を無視しては檀家と菩提寺の関係は成立しません。したがって特定寺院の檀家である場合には仏教徒ということになりますので、葬儀では当然仏式以外の選択肢はありませんし、葬儀の読経は菩提寺のご住職が執り行います。

 

では、特定の寺院の檀家でない場合にはどうでしょうか?

大多数の方々は以前からの慣習に従い、やはり仏式でご葬儀を営み、僧侶に読経をお願いしているのではないでしょうか?

特定寺院の檀家ではなく、特に仏教を信仰していないのなら、仏式で葬儀を営まなければならない理由はありません。しかし、大多数の方々は仏式を選択しているのが現実です。

当店店主の知り合いの葬儀屋さんによると、日本全体のご葬儀の3/4が仏式で営まれているそうです。

 

でも、当店店主はいつも不思議に思います。
仏教を信仰している訳では無いのに、なぜ仏式の葬儀を選択するのか…。

ご家族のご不幸がきっかけとなり、新たに仏縁(仏教との縁)を結ぶことを決め、今後は仏教を信仰し、仏式で故人のご供養をすることにしたのでしょうか?

そういう理由なら当然納得もできます。

 

しかし現実には、慣習や各家庭の前例に倣って仏式の葬儀を選択しているのが大多数なのです。

でもその場合には、心の底から故人の冥福を願う気持ちは当然あることと思いますが、仏教に対する理解や信仰が伴っていないため、形式的だけの仏式の葬儀となってしまい、様々なトラブルに発展するケースもあると聞きます。

 

誤解しないでいただきたいのですが、決して仏教に対する理解や信仰が足りないことを悪いといっている訳ではありません。

「仏式以外の選択肢だってあるんですよ!」ということを、声を大にしてお伝えしたいのです。

古くからの慣習

日本では「亡くなった方へのご供養」という場合に「仏式(仏教に則ったやり方)」を漠然とイメージする方が多いのではないでしょうか?それは「古くからの慣習」というのが大きな理由なのだと思います。

でもそれって「ご供養の心」ではなく「形式」や「世間体」を優先していることになっていませんか?

あなたにとって「形式」や「世間体」は、「ご供養の心」よりも大切なものですか?

大切なご家族が亡くなったら僧侶にご戒名(法名・法号)を授けてもらい、冥福を祈り読経をしてもらうのが一般的だとしても、それは仏教という一つの宗教の中での考え方です。

四十九日忌や一周忌、三回忌という考え方や、仏壇やご本尊やお位牌(過去帳)、線香やチーンと鳴らすおりんも仏教では必要とされているものかもしれません。

供養や成仏とは

では、戒名無し、読経無し、仏壇も位牌も無し。

これでは故人が成仏できないのでしょうか?

仏教という宗教で考えればそうかもしれませんが、仏教にとらわれなければ何一つ問題はありませんし、そもそも「成仏」という考え方もありません。

 

「でも、それではあまりにも故人が可哀そう」という方がいたとしたら、その方の考え方が「亡くなった方へのご供養の常識が仏式」というだけの話です。

もしかしたら自分では「無宗教」と思っていても、「僧侶の読経の無い葬儀はピンとこない」と思う方は、やはり古くからの慣習に影響を受けていて「亡くなった方へのご供養の常識が仏式」となっているのです。

 

では、仏式以外では亡くなった方へのご供養は出来ないのでしょうか?

ご供養のお手伝いのプロを自負している当店店主はそうは思いません。

故人を偲び、故人のことを考えて行動に起こすこと全てがご供養なのだと強く思います。

供養の捉え方が多様化する時代に

最近はご供養の多様化が進み「無宗教葬」や「自由葬」といわれる特定の宗教にとらわれない葬送方法を選択する方も年々増えてきているようです。

ご葬儀には「仏式以外の選択肢だってあるんですよ!」

 

そもそも「ご供養」という考え方は仏教に則った考え方です。

当店店主は「仏教」をないがしろにするつもりは一切ありません。特定寺院の檀家ではなく、特定の宗派へのこだわりも特にはありませんが、「仏教」そのものには真摯に向き合っているつもりです。

「仏教」には、いまを生きる人々が、より良い人生を送るためのたくさんのヒントや気付きを得られるものであると真剣に思っています。

当店店主の考え方の根本は、出来るだけ「仏教」を意識することを心掛ける努力をしています。あまりできていないのかもしれませんが…。

しかし、知らなければ反省することも出来ませんが、少しでも知っていれば、そうできなかったときに自己反省することが出来るので、積極的に仏教に触れる努力をしています。これもあまりできていないのかもしれませんが…。

 

ただ、仏教への理解や信仰が無いまま、慣習に引っ張られて仏縁(仏教との縁)を結んでしまうことで、仏教に対してマイナスのイメージを持つ方々も少なくないように感じます。

そんな方が一人でも少なくなることを切に願っています。

「故人のご供養に関して必ずしも仏式にとらわれる必要は無い」ということをご理解いただき、無用な仏縁を結ぶことなく、ご遺族が望むかたちで大切なご家族のご供養が心ゆくまでできるようお手伝いできれば幸いです。

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