供養木箱「木霊」に到達するまでの試作 其の一
当店で初めて手元供養商品を試作したのがこの石製品です。
当店は「ご供養のお手伝いのプロ」を自負しているものの根本は石屋なので、どうしても石材で何かできないかな〜?という発想になってしまい、やはり最初の試作品は石材で作ってしまいました。 これは4寸サイズの骨壷を石材の中に納めて、体裁よくご自宅で手元供養できるようにと考えたものです。
石材はどうしてもその重さがネックとなってしまうため「見た目の装飾」と「軽量化」の一石二鳥を図る工夫をしてみました。 円筒状部分の周囲の、石屋では灯籠の火袋部分などに用いる「七宝柄」の透かし加工です。 これで1〜2割の軽量化が図れているはずです。 さらに全体的に石材の厚みをもっと薄くすればより軽量化も図れるのですが、そうすると今度は強度的な問題が出てきてしまうので、薄くするにも限界があります。
しかし、細部にまでこだわっていて、これはこれで実によく出来ていると思います。 ただ、目的はご自宅(室内)での手元供養です。
ちなみに実際に重さを測ったところ、一番左側の黒御影石のもので台座とセットで約6.9kgあります。 そこに粉骨加工をしたご遺骨を4寸壷に入れたものをプラスすると総重量は10kg近くになってしまいます。 10kg近くの重量のものを棚の上に置いてご供養するって…。 棚は強度的に大丈夫なのだろうか? それよりも、万が一の地震のときに棚から落下したら冗談抜きで床が抜けてしまうかもしれません。 これではあまりにも危険です。
また、価格も粉骨加工サービス無しの商品価格だけでも10万円前後の設定となり、多くの方に喜んでいただけるような手元供養商品を考えている当店としては「ちょっと高いな…」という判断となりました。
その後も、どこか他に工夫できるところはないかと色々考えてはみたものの「石材はお庭や玄関などの屋外にある分には頑丈でいいけど、室内の場合には風雨に晒されるわけではないのでそこまで頑丈な材質である必要は無いし、そもそも重すぎて不向き!」という自分なりの結論に至りました。
ということで当店初めての試作品はあえなく却下という悲しい結末を迎えました。
ちなみに、当店最初の手元供養の試作品たちは第二の人生を迎えるべく、たまに倉庫から引っ張り出されて色々な用途を試されておりますのでご心配なく。