お墓への埋葬履歴が有るご遺骨の洗浄作業について

お墓の中の骨壷の中は汚れていることが多い

骨壷は完全な密閉容器ではないため、内部に湿気が入ってしまいます。また、お墓の納骨室(カロート)内はかなり湿気の多い空間です。
お墓に埋葬された骨壷内には湿気が入り、季節や朝晩の気温差により湿気が結露し、水が溜まってしまうことがほとんどです。長期間お墓に埋葬されている骨壷内には口元いっぱいまで水が溜まっていることも決して珍しくありません。
結露の水滴が溜まったものですので一般的には無色透明ではありますが、長期間滞留している水ですので雑菌の繁殖は否めません。
古いご遺骨の場合はご遺骨以外の混入物が多く、特に汚れている傾向にあります。

お墓への埋葬履歴が有るご遺骨を粉骨加工する場合には、洗浄作業の付帯をお願いしております。

清潔でキレイなパウダー状のご遺骨(粉骨)にするためには必須の作業です!

温水ですすぎ洗い、水が透明になるまで洗います

当店では、洗浄水がキレイになるまで繰り返し温水ですすぎ洗いをするという方法でご遺骨の洗浄作業を実施しています。

お墓への埋葬履歴が有るご遺骨には様々な汚れが付着または混入しています。

  1. 棺の釘やタッカー針などの金物
  2. 歯の治療金属(銀・金・インプラント)
  3. 医療金属(ボルト・ペースメーカー)
  4. 火葬炉内の鉄粉
  5. 砂利・砂・土
  6. モルタル・目地ガラ・ガラス片・陶磁器片
  7. 消し炭・木の根っこ
  8. 虫・G

※1〜4はお墓への埋葬履歴が無いご遺骨にも混入しています。

異物の除去作業

上記の混入物の中で厄介なのが砂や土や砕けた消し炭です。

粒子が細かいのでご遺骨が砕けた微細な欠片やご遺骨の粒子と混ざっている状態だと、どうにもこうにも分別することが難しいのです。

例えて言うなら、砂糖の中に混ざってしまった食塩を取り除くような、または、小麦粉の中に混ざってしまった片栗粉を取り除くような……。

すすぎ洗いだと洗浄水と共にご遺骨が下水に流出してしまい、故人様が可哀そうだと言っている同業者もいるようです。

当店でも当初は「なんとかならないものか…」と、20リットルサイズの大きな超音波洗浄機も導入して超音波洗浄なども試してみました。また、洗浄水を流すときにフィルターを使用してみたこともありましたが、結局は汚れを流そうとするとご遺骨の粒子の一部も流れてしまい、洗浄水を流す際にフィルターを通すとご遺骨の粒子の流出は防げても汚れも一緒にフィルターに残ってしまうという結果となり、最終的に、ご遺骨に混入している汚れの粒子とご遺骨の粒子を分別することは研究所のような設備と知識と技術が無ければ無理なのでは…、という結論に至りました。

しかし、当店でも何の注意も払わず洗浄水をダバダバ下水に流している訳ではありません。使えそうな道具や器具を駆使して細心の注意を払い、混入物とご遺骨の若干の比重の違いを利用し、洗浄水の中で何とか汚れだけを流すように努力はしていますが100%とはいきませんので結果としてご遺骨の粒子の一部が流出してしまうのは事実です。

ただし、ご遺骨全体の量から考えると流出してしまうご遺骨の粒子の量はごく僅かですのでご安心ください。

当店のご遺骨洗浄作業に関する考え方としては、ご遺骨の汚れを落としキレイで清潔な状態にすることが重要と考えています。逆に言えば、ご遺骨の微粒子の流出を気にしすぎてご遺骨をキレイで清潔な状態にできないのであれば、そもそも洗浄作業の意味が無いと考えています。

せっかくお墓から出て粉骨加工するのであれば故人様には「ひとっ風呂浴びてキレイになってサッパリしていただきたい」という思いで洗浄作業を実施しています。
夏場には少しぬるめの湯温で、冬場には少し熱めの湯温ですすぎ洗いをしています。
「あぁ〜、サッパリした!」と思っていただけるよう、故人様にも思いを馳せながら丁寧な作業を心掛けています。

【作業内容】

温水で繰り返しすすぎ洗い → 専用乾燥機で乾燥(24〜72時間以上)

キレイになり、しっかり乾燥させて粉骨加工の作業に進みます。
ご遺骨の洗浄作業後はご遺骨の骨壷サイズに関わらず、長時間乾燥機を回しますので骨壷サイズごとの価格設定はございません。
お施主様だけでなく故人様にも思いを巡らせ、合格点をいただけるよう丁寧な作業を心掛けています。粉骨の作業内容に関して、詳しくは株式会社中島石材のホームページをご覧ください。

手元供養

未来のご供養もお手伝い